ボーン、ボーン、ボーン、と柱時計から音がした。
時計を確認した。午後3時。分かっていても、音がするとつい顔を上げてしまう。
ついでにコーヒーを一口飲んだ。ちょうどいい温度になっている。もう一口。ここのコーヒーはなんでこんなに美味しいんだろう。すでに2杯目だけれど、やはり飽きない。この喫茶店では毎回同じブレンドコーヒーを、ミルクも砂糖も入れないまま2、3杯飲む。ブラックコーヒーの良さは味変可能なところにもあると思っているのだけれど、なぜかここのコーヒーは味を変えようと思うことがない。
少し味わって、また視線を下に戻し、本の続きを読む。
ボーン、ボーン、ボーン、ボーン、と柱時計から音がした。
午後4時。
本を閉じて、少し落ちつく。あと数口分残っているコーヒーと向き合い、この時間が終わるのを惜しむようにゆっくり飲んだ。
ごちそうさまでした。店主に声をかけ店を出る。途端に現実世界に戻ってきたような感覚になる。さて、今日の夜は何を作ろうかな。
#時を告げる
9/6/2024, 2:28:25 PM