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胸の鼓動

彼は生まれてはじめてのその早鐘を打つような胸の鼓動を恋であると気づきながら否定しその相手を下に見て賢り正義中毒のお硬い先生のように批判するくせに、つけまわしては嫌われていることも理解できずに愚かにも守ってやるよなんて思いあがっていた。それは推しアイドルでも追いかけるアダルトチルドレンのメガネ豚のように。

そして、独りカーテンに月あかりの差す部屋で
顔にはスマホのブルーライトをあてながら今夜も胸の鼓動に苦しんでいた。

メンタルヘルスか?

アダルトチルドレンメガネ豚はメンタルヘルス先生を訪ねた…はじめての胸の鼓動を持て余す。
「先生奴は悪魔なのか?僕を苦しめる」アダルトチルドレンメガネ豚は息を荒げてメンタルヘルス先生に問い掛けた。

「それは、恋だよ、利己的な」
「自分の思い通りにならないと苦しい、苦しめられていると錯覚する傷つけられていると誤解する、被害者妄想の恋だよ」メンタルヘルス先生は答えた。

アダルトチルドレンメガネ豚は、そうなのかと汗ばむ手を握り締めたが、どうにも胸が苦しい。

「先生、これは恋なのか?」
アダルトチルドレンメガネ豚の声はかすれていた、額には脂汗が滲んでいた。

メンタルヘルス先生はアダルトチルドレンメガネ豚の脈を取りながら、「いや、ちょっとまて、これは心筋梗塞の発作のようだ、君、救急車だ!」メンタルヘルス先生は看護師に救急車を呼ぶように指示をした。

胸の鼓動を、未知との遭遇の恋と思い違った
アダルトチルドレンメガネ豚は血の気の完全に引いた顔で倒れた。

胸の鼓動には、気をつけて、恋も心筋梗塞も
命とりになりかねません。


批判一切受けつけませんの毒舌ネタの回

令和6年9月8日

          

                




9/8/2024, 12:16:56 PM