未知亜

Open App


 駅前の愛用スーパーが全面改装で閉店して一週間。冷蔵庫がほとんど空になった。ギャグマンガみたいに、まじでなんも入ってない。
 仕事帰りに遠くの店まで行く気になれず、 休日の今日こそ買い出しに出るつもりだった。なのに予報はところにより雨。起きた頃に覗いた地面は乾いていたのに、ベッドでウダウダしているうちにざあっと強い音がした。雨雲レーダーを眺めても、一旦止んではまた降るような際どい雲行きだ。
 今日はもう、買い置きのカップ麺でいいや。部屋着のまま、もう一度ベッドにもぐりこむ。徒歩15分のコンビニに行くのさえ面倒だ。頼りにしてたものが消えるダメージに、じわじわとやられている気がした。
 ところにより雨なんて一番タチが悪い。いっそのこと一日ザーザー降っていてくれればまだ諦めもつくのに。
 カーテンの端を引っ張る。変に明るい窓を雨粒が伝い、水滴同士がくっついて星のようにスッと流れた。

 いっそのこと思い切り嫌わせてくれたら、まだ諦めもつくのに。


『特別な存在』『ところにより雨』

3/26/2026, 9:47:37 AM