君とみた虹
「お、天気雨」
「狐の嫁入りとも言いますわね」
「占いできるやつだろ、最近覚えたぞ」
「蛸嶋くん宅の本にありましたね」
「なんでもあるよなあの家…核シェルターもありそう」
「………通信販売にこってますよね、彼」
「へんなのばっかり買うよな」
「土産物屋でも使い道が不明なものを選びますよね」
「お面の部屋入ったことある?」
「蛸嶋家七不思議、「北側2階の突き当たり」の話なら聞きませんわよ」
「バカでかいアサリの貝殻で作ったお面てのがあってさぁ、被ってみたら取れなくなってよ」
「私のいないところで大事件が…」
「開き直って嗅いでみたんだよ」
「…………どうなったんですの?」
「味噌の匂いした」
「それで?」
「『酒蒸しがいいな…』って溢したら取れた」
「よかったですわね…」
「今からでもさぁ、あのお面からなんとかしてバカでかいアサリとれねぇかな……お嬢もくいてぇだろ、でかいアサリ」
「多分その部屋に入れたのもそのお面にであったのも完全に運だと思いますわよ、2度はないかと」
「ダメか…」
「あと私どちらかと言えばホタテの方が好きなので」
「ホタテも…うまいよな…」
「虹が出てますわよ尾上君、何かおねがいごとしますか」
「今日の晩御飯海鮮がいいです」
虹を見ると思い出すあの日の君と晩御飯
2/22/2025, 11:55:19 AM