喜村

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 雨の気配を感じて、ボクは家から出た。
 ゆっくりゆっくりと、緑の大きな傘をさしたまま進む。
 緑の大きな傘の中に、君は飛び込んできた。
 君はケロケロとノドを鳴らす。

「こんにちは、カタツムリさん。少しだけ一緒に、この傘の中に入っていいかな?」

 君はボクにそう問うた。
 ボクは目をきょろきょろして答える。

「こんにちは、かえるさん。もちろんですよ、今日の雨は強いですからね。さぁ、もう少し中まで入ってください」

 ボクは、緑の大きな傘の端へと移る。
 梅雨だというのに強く降りしきる雨。
 ボクと君は、しばらく緑の大きな傘で共にいた。

@ma_su0v0


【相合傘】

6/19/2024, 11:56:21 AM