ストック

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Theme:束の間の休息

残業の合間、先輩のお使いでコンビニに向かった。
外に出るにはちょっと寒いけど、ギスギスした雰囲気から逃がしてくれたとも言える。
「お釣りで好きなもの買ってきていいよ」って言われたし、肉まんでも買って帰ろうかな。
頼まれた皆の分のコーヒーと肉まんを買って、コンビニを出る。

会社の入り口まで戻ってくると、先輩が一服していた。
「お。おかえり。ごめんね、お使い頼んじゃって」
「いえいえ!お安い御用です」
「…今、戻ると面倒だから、もうちょっとお使いに行ってることにしとけ」
「…はい」

先輩の横にちょこんと座る。目の下に隈ができているのがわかった。
肉まんを半分にして、先輩に渡す。
「先輩、よかったらどうぞ!」
「いいのか?お前の夜食だろ?」
「もちろんです!ていうか、先輩のお金ですから!」
「じゃあ、ありがたく。いただきます」

毎日毎日忙しい日々の、束の間の休息。
いつも頼りになる先輩が美味しそうに肉まんにかぶりついている姿は、何だか微笑ましく思えた。

「先輩、いつも大変ですよね。お疲れ様です」
「どうしたんだ、急に?……でも、ありがとうな」
先輩は立ち上がると、近くの自販機でカフェオレを買って放ってくれた。
「俺はそろそろ戻るけど、もう少しゆっくりしてから戻ってこいよ」
「はい、ありがとうございます!」

先輩は後ろ手に手を振って戻っていった。
役に立てるかわからないけど、休憩時間くらい先輩を笑顔にする役に立ちたい。
そんな風に思う。

10/8/2023, 1:30:16 PM