ある子猫がいた。
その子猫はなんでも知っていた。
だから
まだ見ぬ世界を探しに旅をしに行った。
なんでも知っていても、
なんでも体験したわけじゃない。
ある時恋をして、
ある時友情を感じて
ある時涙を流す。
こんな日々が、
幸せでたまらなかった。
だけどある日思った。
僕は何になりたいんだろうと
また旅をした。
だけど答えは見つからない。
また歩いた。
地面を踏みしめた。
だけど見つけるのは自分の足跡だけ。
軌跡だけで、
未来が見えない。
子猫は思った。
僕は、もしかしてもうなりたい姿に
なれているのかもしれない、と。
その瞬間、
子猫は猫になった。
そして、
普通の猫として暮らす事にした。
もう日常に幸せはあったんだ。
自分はもう自分。
それ以上でもそれ以外でもない。
特別な存在。
猫は、愛を知った。
11/15/2024, 2:03:53 PM