さらさらと音を立てて、注文した二杯のコーヒーに砂糖が入れられる。
カフェのガラス張りの空間の向こう側では砂糖に似た粉雪が降っていた。
有希は、甘い物が苦手では無いと知って、勝手に入れられた砂糖とミルクに苦笑を溢すと、目の前にいる人物に目をやった。
さらさらの髪に整った目鼻立ち、有希と同じ高校生にしては大人びた表情。
王子の様な外見に反して、口調や性格は案外あどけなさが残る事を、有希は知っている。
そんな彼にいつからか惹かれ、最近はカフェでお茶をするくらいには仲良くなっていた。
この時間が、有希の楽しみの一つになっている。
砂糖とミルクが入れられたコーヒーは、マドラーで綺麗な渦を描きながらクルクルと回転している。
そっと有希にコーヒーが渡されると、彼はこんな一言まで渡してきた。
「好きなんだけど。有希のことが」
やっぱり幼さが残る口調と、美しい顔面のギャップに有希は微笑した。
「ありがと、私も」
釣られて幼くなってしまった有希の言葉に、お互い頬を染めてしまった。
二人は、まるでそれを誤魔化すようにコーヒーに口を付けた。
粉雪はまだ砂糖のようにさらさらと、二人の恋を応援するように降っていた。
#さらさら
5/28/2025, 2:58:52 PM