時計の針
規則正しく動き、1寸の遅れもなさない機械。
午前
正午
午後
1寸の狂いもなく、動き続ける。
だが、勿論形のあるものは必ず壊れる。
時が経てば、狂いをなし、そのうち動かなくなる。
どれほど、大切にしていても、壊れる。
動かなくなる。
最近、人が死ぬ夢を見た。
時計のように、急に壊れ始めて、動かなくなった。
病であれば、じっくりと錆付き壊れていく。
鈍く光る凶器で刺されれば、すぐに紅く色をなして崩れていく。
輪っかの縄に、首を入れれば、崩れることは無いが壊れてしまう。
時計の壊れ方と人間の壊れ方は少し似ている。
だけど、
時計の壊れ方と人間の壊れ方は少し似ていない。
理解できそうで理解できない。
分かりそうで分からない。
いつか、私の身近な人も、私自身も、知らないどこかの誰かも、いつかは壊れた時計のように、動かなくなってしまうんだろう。
どこか、心が痛む気がする。
『時計の針』
2/6/2024, 1:43:57 PM