耳を澄ますと
耳を澄ますと虫の声鳥の声、木々のざわめき、川のせせらぎ、それから───
人の噂声。
田舎というのは、かくも閉塞的で淀んでいる。
他所から来た者は、表面のその自然の豊かさ人々の温かさだけを切り取って夢を見る。
その内面におどろおどろしい闇があるのを知らずに。
結局、他所の者はいつまで経っても他所の者。
一員にはなれない。
どこかで誰かが必ず見て、聞き耳を立てて、真偽不明の噂が突風のようにすり抜ける。
生まれた時から私の耳には虫や鳥の声、木々のざわめき、川のせせらぎ、そして人の噂声がこだましていた。
5/4/2026, 10:41:45 AM