かたいなか

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前回投稿分の裏側。
最近最近、「ここ」ではないどこか別の世界に、「世界線管理局」と「世界多様性機構」なる厨二ふぁんたじー組織が存在しており、
管理局側はそうでもないものの、多様性機構側が管理局を、ともかく敵視している状況。

というのも、機構が為しているのは、管理局が取り締まっている違法、脱法、グレーざんまい。
機構が動けば管理局が監視し、管理局が動けば機構が邪魔を計画する。
打倒管理局!ノー管理局!
世界線管理局を潰して自分たちの活動を大々的に広げていくのが、機構の悲願である。

その日はとある理由から、管理局内の主戦力とウワサされている法務部執行課の面々が、
管理局から離れた別の世界で重要な作戦を展開中。
一時的に、数時間だけ、留守の状態が発生した。

これを逃さないのが世界多様性機構。
ひとりの武闘派精鋭を選び、管理局に侵入させた。
精鋭はビジネスネームを「サルスベリ」といった。

なんだか非常にツルツルしてそうな名m
事実としてサルスベリ、頭が眩しくてt

…――「ふふふ、ふはははは!!
自分の名は、サルスベリ!花言葉は『不用意』!」
管理局の収蔵庫から侵入し、管理局内に存在する難民シェルターへ到達したサルスベリは、
さっそくシェルターの中で暴力的なチカラと光とを発揮し、文字通りに暴れまわった。

滅んだ世界から生き延びて逃げ込んだ人々を、管理局はどこにも逃さない。
例外無く、全員シェルターに押し込んでいる。
まずサルスベリはシェルターを破壊して、収容されている難民たちを解放する魂胆であった。
「難民の諸君、自分が来たからには、もう安心だ!
諸君を閉じ込めるこのシェルターを、光のチカラでもって、破壊してみせよう!」

何が「光のチカラ」かというとそりゃもう頭n
まさかの規格外な輝きにより眩しくt

「破壊、破壊!管理局など、破壊だ!」

「そうはさせない!」

サルスベリの暴挙に気付かない管理局ではない。
難民シェルターの管理・運営をしている空間管理課職員が、サルスベリの前に立ちはだかる。
「サルスベリ、お前の暴挙もここまでだ!!
私は環境整備部、空間管理課の、キリン!」
妙にイケボの局員は、相手が相手ならコチラもコチラ、まさかの筋肉的スマート肉体美。

キリンは仁王立ちで、白く輝くふんどし一丁。
ワケが分からないが仕方無い。
サルスベリの光が反射してその白もまた眩しk
「サルスベリとやら。難民シェルターで静かに過ごしている難民たちの安全を破壊するその所業、このキリンが許さん!
活力100倍、お仕置キリンだ!!」

バキン! ずどん!
機構の眩しいのと管理局の眩しいのとは、双方が双方、自身の信念と組織の使命によって、
ぶつかり、拳を繰り出し、拳でもって防御して、
なによりお題がお題、「眩しくて」仕方無い。

「足元がお留守だ」
「なんの、誘っておるのだ!」

拳と拳、足と足、光と光で暴れるふたり。
イケボふんどしのキリンが早期決着をはかろうと、
後光さすサルスベリを、直視した、その時。
「不用意なり、キリン」
「ぬぅッ!!」
サルスベリのツルツルが暴力的な光でもって、キリンの目を十数秒だけ潰した。

どこが暴力的に光ってるかって?
そりゃサルスベリの頭n

「キリン、もらった!」
目眩ましを食らったキリンにサルスベリが、勝ち誇って必殺の拳を振り抜こうとしたところで、
さて、そろそろ物語も終了のお時間。

キリンに1人の援軍が来たのだ。
「えいっ」
「ぐあッ!!あちちちち、ぎゃーーーー!!」
暴力的な眩しさに対抗するには、徹底的な遮光。
溶接メガネを装備した局員が光の中からサルスベリを探し出し、ついでに、ガストーチバーナーでもって尻を少し炙ったのだ。

「きさま!卑怯だぞ」
「何が卑怯だよ。えい」
「おあぁぁぁぁぁぁ!!!」

眩しくて仕方ないなら、遮光すれば良い。
結果としてサルスベリは最終的に拘束されて、
キリンとのバトルの勝敗は、お預けになったとさ。

8/1/2025, 9:58:32 AM