〈過ぎ去った日々〉
大して記憶にも無い。
自分がどう生きてきたのか。何が起きて何を思ったのか。その大半が記憶に無い。
現在私の齢は二十二で、昔も今も決して良い環境で暮らしているとは言えない。確かなのは常に頭の隅で異様な焦燥感がのさばってきていることだけ。そしてそれは日を追う事に、我が物顔で占拠地の規模を拡大していく。
これまで私の身に起きた事柄は、大概が思い出そうにも不鮮明で、きっと思い出しても微笑ましく感ぜられはしない。のさばる焦燥感が「やめておけ」と一言窘めるだけだ。
今日これから起きる出来事も、明日、私にとってどういうものになるのかは粗方予想が付いてしまう。今世生涯を無為に過ごしていく腹積もりをせねばならぬのだ。
3/10/2024, 1:29:09 AM