雨音に包まれてしとしと ぽつぽつ世界が 静かにほどけていく誰かの涙か 空のため息か音になって 頬をなでる窓辺に佇むこの時間は忘れられた想い出の引き出しほこりをかぶった手紙のようにひっそりと胸を叩く街のざわめきは 遠く心の声だけが 近くにある傘の下で交わす言葉より雨音の方が 優しかったりする濡れたアスファルトに映るぼくらの輪郭は 滲んでそれでも たしかにここにいると雨がそっと 囁いてくれる
6/11/2025, 4:41:13 PM