なんでもないふり
その日仕事中、連絡があった。
仕事仲間で10歳位年上の人の突然の訃報。前の日、私に意見してくれて一緒に考えてくれた先輩。
その日の夜、電話しながら突然倒れたらしい。まだ独身で若かった。
20歳位の私は頭が真っ白になり昨日普通に話したよ…えっなんで…
涙が溢れてきた。職場のみんなも動揺していた。
仕事が手につかず、人気の無いところで誰もが泣いていた。
コールが鳴る。私達は明るい声で対応し笑顔で出かける。なんでもないふりで…。
仕事は待ってくれない。次々と押し寄せる仕事に忙殺されながら普段通り私達はその日をやり過ごした。
なんでもないふりで…今日も明日も。少しづつ悲しみがオリのように積もっていく。胸がつぶれそうな日々を超えて私は少し大人になった。
12/11/2024, 1:32:41 PM