Isao Tominaga

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行かないでと、願ったのに



最後のドアが 静かに閉まる音
胸の奥で 何かが崩れていった
「大丈夫」って笑った唇の奥で
本当は叫んでたの ――行かないで

君の背中に触れた空気
まだ温もりが残っている
なのにもう 届かない距離へ

行かないで、と願ったのに
その言葉は風に溶けて
涙の海に沈んでゆく
交わした夢のかけらだけ
手のひらに残したまま
さよならも言えずに


光のないホーム ひとりきり見送った
君の影が遠ざかるたびに
心の時計が止まるのがわかった
もう、あの日の私には戻れない

もしもあの瞬間に
強く抱きしめていたなら
運命は変わっていたのかな

行かないで、と願ったのに
君は微笑んでいたね
未来を信じるその瞳で
私はただ泣くことしか
できなかった
愛していたのに


雨の音が今も 二人を包むようで
触れられない君の声を 探してしまう

行かないで、と願ったのに
時は残酷に流れて
思い出だけが優しすぎて
あの夜の温もりさえ
まだ私を離さない


さよならよりも深く
心は君を呼んでいる
行かないで――と
願ったあの日のままで


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🌙 楽曲イメージメモ:

テンポ:

11/3/2025, 11:38:05 AM