霜月 朔(創作)

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初恋の日


お前の墓に花を手向けるのが、
いつの間にか、俺の日課になっていた。
 
お前の墓の前で、
俺は、お前に語り掛ける。
嬉しい事だけじゃない。
辛い事も、悲しい事も、
全てお前に、ぶち撒ける。

お前が居なければ、
俺はきっと、野垂れ死んで居ただろう。
お前が居たから、今の俺があるんだ。

いつもお前に手向ける花は、
決して華やかなものばかりじゃない。
それでも。
お前の誕生日、お前の命日、
そして、俺とお前が出逢った日は、
少しだけ華やかな花を手向ける。

俺がお前と出逢った日。
それは、
俺の…初恋の日、だから。

5/7/2024, 4:24:34 PM