まだ、ランドセルを背負って学校に通っていた時の頃、私は恋をした。これが恋と呼べるかは定かではない、ただ、1つ言えるのは自分があの時ほど情熱に溺れていた記憶がないと言う事だけは、はっきりと分かる。
けれど、当時の私がアプローチをかけることは1度もなかった。叶わぬ恋だと分かっていたからかもしれないが、何よりも儚く散ってしまいそうな可憐さに見惚れるのが好きだったというのが正しいのだと思う。今、好いてる人が何処に居るかは知る由もないけれど、どうか自由でいて欲しいと思う。遠い日の記憶を思い出しながら、私は、情熱を教えてくれた教師の姿を瞼の裏でひっそりと思い浮かべた。
あの日の情熱を越える記憶は、まだ現れない。
お終い
7/17/2023, 10:16:52 AM