もしも君が私のことなんて好きじゃないと言ったら、私はなんと答えるだろう。
よかった、私のことなんて好きじゃなかったんだ。そっか、だからなんだ。好きじゃないから、私はこんなに悲しい気持ちになったりしていたんだ。私は愛情を受けて歪んだ化物なんかではなくて、ただ愛情を受けることができない悲しい存在なだけだったらしい。
好きじゃない、この言葉は鋭利だ。世界で同時に言葉というナイフを振り翳したら、大量の死人が出るだろう。
君が私のことを好きじゃなかったらよかった。そしたらわたしも君のことを好きなんかではなかったと思う。
それはつまり、この物語が始まらなかった未来がスタートするのだ。
こんなにも愛おしい痛みも知らずに、ただただ見えない何かに拘束されたような気分になり、手を伸ばして、届かないその愛情に。私は必死に掴もうとする。
だいすき、だいすき、だいすきなんだよ。大好きなんだ。
君の全部がわたしになったらいいのに。
君の見る景色、君の心、その全てが私にも同じように伝わったら
君を傷つける頻度はきっと減るし喜ばせることもできるだろう。
きみが幸せならそれでいい、ほんとうにそれでいい。
その幸せに私が組み込まれていたら、もっといい。
朦朧とした意識の中で綴る、もしもという文章は
暴力的までに私の脳を刺激する。
本当に、幸せたらそれでいい?
その幸せに、自分が関与したいのだろう。
私がいるから幸せだと、君に言って欲しいのだ。
なんという欲望。愛とは何よりも醜い。
6/14/2025, 6:20:17 PM