特盛りごはん

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 花盗人に罪はないとは言うけれど。手折って自分の手元に置きたいだなんて自分勝手な感情が風流であるものか。
 通り過ぎる風に髪を柔らかに揺らし、目尻をくしゃりと崩して、まだ化粧っ気を知らない頬を薄桃色に染めて花が咲くように笑った彼女。
 可愛い、綺麗、好き。単純な言葉のその奥で自分が抱いた感情は、桜の枝を手折った盗人と同じものなのかもしれない。
 もしそうであるなら。やはり風流なんて程遠い。花盗人に罪はない、なんて訳がないのだ。



/花咲いて

7/23/2023, 12:28:16 PM