一瞬、また光が光った
真っ暗闇の中、何も見えない空間にたった一瞬だけ光が灯る時がある。
ロウソク、デンキ、カミナリ...タイヨウ。
我はそれらを知らない。
言葉だけは我の頭の奥から聞こえてくる。
いまだ見た事はないが、光の種類だということは知っている。
我は何者か。
暗闇に1人、実態も持たずに“生きて”いる。
また一瞬暗闇が光った。
今度は先程よりも少し長い時間。
変わることのない暗い景色に、その光が灯る刹那を我は“タノシイ”と感じる。
我はカンジョウというものが分からない。
けれどタノシイ。
我は何者か?
なんとなくその光が教えてくれるような気がして、たったの数秒しか光らないその空に手を伸ばした。
[刹那]
4/28/2023, 12:48:03 PM