REINA

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空模様



田舎の、それも山が近い実家の天気はよく変わる。
晴れていたかと思えば、突然の雷雨。
そんな言葉よくある光景。

まるで僕の恋人の気分のように、コロコロと変わる。
でも僕はそれが嫌だとは思わない。
周りから見れば『彼女に振り回されている、しがない恋人』のように思えるが、彼女は感情表現が豊かだ。
確かにもう少し、年相応の大人になって欲しいところもあるが、でも嫌いじゃない。
これが惚れた弱みというやつだろう。

今日の彼女は、空模様に例えるならば曇り空といったところか。
少しどんよりとした、もう少しで雨が降りそうなそんな感じ。

隣に並んで歩く僕はいつだって君の変化に気付く。
何でもないとは言うけれど、女性の何でもないほど信用にはおけない。

話したく無いこともあるだろう。
今日は僕の部屋でゆっくりまったり本でも読もうと提案した。
彼女はこくんと頷いた。

少しだけ、雲から陽が差していた。
これから晴れるだろうか。
晴れて欲しいと思う。

8/19/2024, 1:22:19 PM