ピンポーン
玄関のインターホンが鳴った。
誰だろうと思いながら、女性はモニター越しに様子を伺うと、外には帽子を被った超絶イケメンの若い男性が立っていた。
「宅配でーす」
「あ、はーい。すぐ行きます」
慌てて玄関の扉を開けると、さっきの男が両手に一杯の花束を抱えいた。
男は女性を見つめると、美しく微笑んだ。
「この花束を、美しく愛しい貴方に差し上げたいのです」
「えっ、これを?私に」
突然の出来事に困惑する女性。
「どうか、受け取ってくれませんか」
男は頭を下げ、女性に花束を差し出した。
名前も知らない男性に、ドラマでも見たことの無いような展開。
上目遣いにこちらを見つめる男性と視線が重った。
「はい、受け取ります」
女性は胸のときめきの赴くままに、男性から花束を受け取ると、にっこりと微笑んでみせる。
「ありがとうございます」
男性もにっこりと微笑むと、右ポケットから1枚の紙を取り出した。
「では受領にサインをお願いします。代引きで5,500円です」
2/10/2024, 3:17:57 AM