かたいなか

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国内某所、住所不詳。とあるぼっちな一室で、事実と空想が半々なワンシーン。
架空の先輩後輩と、不思議な餅売る子狐と、元物書き乙女の日常を主に持ちネタとする物書きの、以下はいわゆる三度目の執筆裏話。

「エモが……エモが多過ぎる……!」
今日も難易度エクストリームハードの題目である。
某所在住物書きはこの手のジャンルが不得意であるがゆえに、この頃は物語を少し書いて消してまた書いて消してを数時間繰り返している。
「まずキャラAとBを用意します、Aが『天気』の話題をBに提示します、しかしBにとってこの話題は重要ではありません。さぁBが『僕が話したいのは』と突き付けてくる話題Cは何でしょう」
アレか?「てんき」違いで「転記」の話でもすりゃ良いのか?
うんうん唸り、悩み、苦しんで悶えた末に、物書きはため息をついていわく、
「……知らん」

もういい。今日はパス。
天気の話も転記ミスのエピソード披露もせず今日は寝る。『僕が話したいのは、何もない』。
匙を投げた医者、筆を放った物書き。
5月も残り1時間半を切ったところでアプリを閉じ、ベッドに乗って布団に潜り、部屋の照明を消す。
スマホで天気予報と地震発生履歴、それから僅かに夜のニュース等々を確認して、
「そもそも『天気の話なんてどうだっていい』ってセリフがでてくるシチュってどんなシチュ?」
結局、パスを決め込んだ筈の題目を引きずり、ダラダラ考察などを始めた。

悶々モヤモヤ。
今日も相変わらず、某所在住物書きは題目の高難度っぷりに頭を抱え、途方に暮れる。

5/31/2023, 1:38:49 PM