霧夜

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壁に飾られた、一冊のカレンダー。

予定の欄は何も書かれておらず、元々書かれていた数字だけが記されているだけだった。

その理由は、至って単純。

書く程楽しみな予定がなくて、わざわざ書くこと自体も面倒臭いと感じていたからだ。

それなら別に飾らなくても良いはずなのに。

何故か、飾ったその日からそのカレンダーを外したことが無かった。

本当に、ただ、何となく壁に飾られている状態。


けれど、それが今ではどうだろう。

...今と言うか、あいつと出会ってからは、であるが。

予定欄には様々な文字が書き込まれていて、なんの変哲もなかったカレンダーも数種類の色で塗られていた。

面倒臭いと思っていた記入作業も、今では楽しみの一つとなっている。

予定を書いている時、カレンダーが目に入った時。

あいつと出掛けられる。

あいつと話せる。

あいつと会える。

それが目に見えて分かるだけで、楽しくて、嬉しい気持ちになて、

自然と頬が緩んでしまう。


何となく飾っていた、一冊のカレンダー。
それが今では、あいつとの思い出が書かれた、大切なものになっていた。


カレンダーに俺が予定を書く時、それはあいつと過ごせる時間がまた増えること。
さて、次はどんな予定を書くことになるのだろうか...?♪

#カレンダー
55作目

追記
皆様、お陰様でもっと読みたいの数が500を突破致しました!
本当にありがとうございました!!!
これからもグダグダと書いていきますので、良ければ見ていただけると嬉しいです✨


9/11/2023, 12:22:05 PM