とある恋人たちの日常。

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 新しい部屋には独特の匂いがする。
 それがなんとも嬉しい。
 
 私はダンボールを開けて棚に荷物をしまっていく。私自身の荷物はそこまで多くないから、自分の荷物をサッと終わらせてリビングやキッチンを整頓したい。
 
 とは言え、仕事が休めなかった彼が帰ってきてからじゃないと出来ないことも沢山ある。
 
 私は一度手を止めてリビングに足を向ける。
 まだまたガラーンとした場所だけれど、明日はここに彼と二人で使うものを買いに行く予定だ。
 
 それが凄く楽しみで口元が緩んでしまう。
 
 今日からここが、私と彼。二人だけの〝場所〟だ。
 
 
 
おわり
 
 
 
四二五、二人だけの。

7/15/2025, 1:27:11 PM