川柳えむ

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 疲れていた。
 家に持ち帰った仕事をする為に、パソコンに向かい合っていた。
 どれだけそうしていたのかわからない。
 五月三日。世間はゴールデンウィーク。
 休みだというのに、なぜ私はこんなことをしているのだろうと、我に返る。
「何か甘いものが食べたいなぁ〜……」
 部屋を出て、ダイニングキッチンへとやって来た。
 何かおやつあったかなぁと、冷蔵庫を開けてみるが、目ぼしい物は見当たらない。
 ふと顔を上げると、戸棚のガラス扉の向こうにドロップ缶が見えた。
 そうだ。前回帰省した時に、祖母から貰ったんだった。
 缶を開けると、中から色とりどりのドロップが転がり出てきた。
 それを一つ口に頬張る。
「……甘〜い」
 カラフルで、宝石のようなドロップ。甘くて、綺麗で。
 子供の頃はこれが好きで、よく祖母に買ってもらっていた。ドロップ缶を渡してくれる祖母のいつもの笑顔を思い出す。
 次の休みには帰省しようと、強く心に決めた。


『カラフル』

5/2/2024, 5:39:49 AM