長雨が止んで、雲の隙間から暖かい日差しが差し込めている。病室の空気が少し和らいだように、皆が窓に目を移す。ベッドにいる人は、至って平気そうに微笑む。今、医師から言われたことが嘘のように微笑む。母は、崩れ去りそうな気持ちを支える様に硝子に触れる。本当に綺麗な光の渦に、身体を預けて倒れ込む!行かないで、まだ何も返せてないの!と呟く小さな私。
10/24/2024, 10:10:10 AM