老いた庭師は縁側に腰を掛けゆっくりと息を吐く今日亡き妻と世話した庭の紅葉を焼くつもりである炎にかつての声を煙にかつての仕草を灰に過ぎた季節の温もりを見た昔の情熱はまるでないがモノと引き換えに精神は満たされた消えた時間は灰と混ざり翌春の、来世の、まだ見知らぬ誰かの芽吹きの予兆になるだろうそう願ってまた息を吐いた燃える葉
10/6/2025, 10:36:11 AM