Amane

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太陽のような

「◯◯ちゃんって、太陽みたいな人だよね!」
教室は、僕らには狭すぎる。何気ない女子の一言も騒音に聞こえた昼過ぎ。窓際の席、眺めは気に入っているけど、冷たい空気とぬるい空気と蝉の合唱とが混じってどうにも気持ちが悪い。うつむきながら小走りで廊下に出た。
「あれ、また保健室?」
真夏の廊下は暑い。はずだったのに、彼女の声を聞いて、背骨辺りを緩やかに流れていた汗が凍るように冷えた。
「そう、だよ。体調、悪いんだ。話なら後にして。」
「え〜、冷たいなぁ。」
彼女は、確かに太陽だ。遠くから見ているくらいがちょうどよかった。

『うそつき。』
僕の腕を引き寄せて、耳元でささやく。柔らかい金髪が触れて、こそばゆい。

僕だけが知っている、彼女の内側の熱くてドロドロした黒い塊。触れたところが、傷になって腫れ上がっている。

2/22/2024, 10:51:53 AM