わたあめ

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 幼い頃、寝る前に絵本を読んでもらうのが習慣だった。
 兄弟がいたので絵本を選ぶのは交替だった。年齢も性別も違う兄弟とは絵本の趣味も違う。私はお姫様が出てくるお話が好きだったし、兄は冒険物が好きだった。弟はきょうりゅうが好きだった。
 大きくなって自分で本を読む年代になっても、兄弟の選ぶ本の種類はばらばらだった。我が家の本棚には歴史物もミステリーもファンタジーも図鑑も並んでいた。もちろん漫画もあった。好きなだけ本を買ってはもらえる環境ではなかったので、他の兄弟が選んだ本も読んだ。自分では選ばない本もとても楽しめたし、興味の範囲が広がった。もちろん全く興味が湧かず途中で投げ出してしまう本もあった。
 一緒に遊ぶほど仲の良い兄弟ではなかったが、相手の興味はなんとなくわかった。
 大人になってから会話の端々に本の内容が出てくることがある。そんな時、家族としての繋がりを感じてくすぐったい様な幸せな気持ちになる。
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お題:眠りにつく前に

11/2/2024, 11:35:35 PM