七星

Open App

『遠い約束』

修学旅行の夜に、沖縄のホテルで
また来ようねって約束した
そこは、ちょっと高そうな部屋で
私たち三人は、ベッドに寝そべりながら
大して意味もない話をたくさんしていた
あの頃は、未来を思い描くことに
何の疑問も持たず、生きていた
けれども今では、その未来があることを
心から有り難く思う
平穏な明日は、とても脆くて儚いもの
いつ消えてしまうかわからない
水の中に浮かぶ泡のようなもの
だからこそ、とても尊いもの

あの約束が果たされることはなく
私たちは疎遠になってしまったけれど
それぞれ違う場所で、それぞれのやり方で
生きていられたら、それでいい
明日には、なくなってしまうかもしれない
平穏な時間を大切に生きて、生きて
そして、もしまたどこかで会えたら
掘り炬燵に入りながら
温かいお茶でも飲みたいな

4/8/2025, 12:07:01 PM