ミッドナイトラジオ。
深夜二時すぎのFMラジオから流れるパーソナリティーのギャグは、都会の雑踏の一側面を形作っていると言っていいかもしれない。
不完全な僕は、その片隅で、事故物件の一階に暮らしている。
極端に日当たりの少ないこの部屋は、多分健康的な都会人には暮らしぶりに不向きで、僕のような夜型人間には、願ったり叶ったりの安物件である。
仕事は、プロゲーマーをやっている。
最近では、YouTubeの配信の広告収入が、主な収入源だ。
僕は動画の編集をしながら、FMラジオを聞いている。
お便りのコーナー。
『私は夜型人間です。このラジオがいないとやっていけません』
と、放送スレスレの、猥雑な内容に、僕は苦い笑いを回した。
この夜は、今日もどこかで誰かの夜と繋がってる。
窓の外、摩天楼の明かりが、誰かの生きている証だ。
8/31/2023, 10:09:33 AM