ライ麦粉

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※一日飛ばしたので今回は二本立てでございます。

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 花など、毎日貰う人でもない。
 花束を、自分が抱えて、人に抱えさせて。そんな情景を想い出すのは、ああ、花ではなく、それを頂くに至った一連の関係を、因果を、そして感情を呼び起こす。

 そのどれも、忘れる事など叶わないのなら、それは。


 それは枯れずの花束。


 手の中の彩色は、未だ痛いくらいに艶やかで。どうしようもなく、憎くて、憎くて、美しい。

【花束】

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 誰もがみんな、愛情を憶えている。
 憎悪を、敬愛を、嫉妬を、羨望を、憤怒を、喜楽を、憶えている。
 誰もがみんな、人間である。

 誰もがみんな、息をしている。
 食事を、睡眠を、代謝を、発熱を、運動を、生命活動を、している。
 誰もがみんな、生きている。

 当たり前の話だ。抽象化の果てに、人は同じく括る事が出来る。共通項はすぐに見つかる。貴方は、私は、物体である。地球の上に存在している。
 それは、容易い事だ。

 そう、容易い事なのだ。それでも。

 執拗に難しく考えて、簡単に括った関係を切り分ける事が出来るのは、ただ自分自身だけである。分け方は千差万別、それ故に、括る様に一つ明確な定義や正解はあり得ない。
 それ故に、酷く難儀な事である。

 そしてそれ故に、価値を見出だしやすい事も。

 きっと、誰もがみんな、知っている事だろう。

【誰もがみんな】

2/11/2023, 4:40:42 AM