ストック1

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漫画やアニメのかっこいい、かわいいキャラが眩しくて、憧れたことがある人もいると思う
そのキラキラと眩しく輝くキャラに自分を重ね、こんなふうになってみたい、なんて考えることだって珍しくはないはず
それで、私生活で実際にそんなキャラの口調の真似をしたり、自分の設定を作ったりすることを厨ニ病なんて言い方をするわけだけど
まさしく僕もそんな一人だった
魅力を感じたキャラを見つけ、こうなりたいと憧れた
ただ、僕の場合は、普通憧れるようなキャラとは違う感じ
正直、珍しいタイプだと思う
僕は自分でも真面目だと思うくらい真面目な性格でね
そして大人しい
自分の真面目さは認識しつつも、そのことになんの感情も抱いてなかったんだ
僕にとっては、自分が真面目であることは当たり前のことだったから
そんなある日、友達から漫画を勧められた
僕はそれまで、あまりそういうものに興味は持たなくて、読んでこなかったんだけど、勧めてくれたんだからと、試しに読んでみたんだよ
そしたら、見事にハマっちゃって
内容は、クールな主人公が仲間と一緒にスタイリッシュに戦う、すごくかっこいいアクション漫画だった
でも、僕がいいと思ったキャラは、そんなスタイリッシュなキャラたちじゃなかった
メインキャラでありながら、人気はそれほど高くない
しかも戦闘能力も高くないから、バトルではほとんど活躍しない
だけど、仲間からは愛されているっていうキャラだったんだよ
いわゆるムードメーカー
お調子者で、みんなの肩の力を抜けさせる役割
衝撃を受けたよね
こんな生き方があるのかって
僕は面白い人間になろうと思って、そのキャラの真似をし始めた
最初はただの真似だったんだよ
面白キャラを演じる感じ
クールキャラに影響された人がかっこつけるように、お調子者になりきってた
でもしばらくして、なんかおかしいと思い始めてさ
これじゃあ上辺だけだなって
それで、本当に面白い人間ってなんだろう、なんて考えるようになった
面白キャラについてすごく真面目に考えたんだよ
自分の真面目さを初めてありがたいと思ったね
それで、自己満足じゃなく、相手のための面白さを追求しようと思い至ったわけだ
最初はみんな、どうした?みたいな感じだったけど、次第に僕は面白キャラを確立していった
ただの面白い人の設定から、本当に面白い人に成長したって感じたよ
それで今に至る、って話
僕の場合は面白さだったけどね、最初はかっこつけの真似だったとしてもさ
正しく自分の中に取り込めば、それはもう真似じゃなくてかっこいい人なのかもしれないね

7/31/2025, 11:14:31 AM