細言

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『この世界は』
僕は単純な人間だ。精神年齢がいつまで経っても進まないみたいに、相手の気持ちを考えられない。言われた言葉に一喜一憂して、まるで人生が変わったかのような錯覚に陥る。初対面の人でも会話をするだけで幸せになれる。相手のことなど考えないから。
僕は面倒な人間だ。精神年齢が中途半端に老いてしまい、なんでも勘繰ってしまう。悲観的になってしまう。そのせいでいつも大きな行動ができなくなる。その癖して人に愛されたいだとか言ってしまう愚か者なのだ。
総じてこの世界は僕には向いていないのだろう。この世界は難しすぎる。何も考えない馬鹿になるか、考えすぎる馬鹿になるか、それしか無い、できないのだから。それに僕は業が深い。傲慢だとか嫉妬だとかが大罪と称されるこの世界ならば、きっと僕は即刻死刑だろう。
それでも、ここまで生きてしまった軌跡が、鎖となって僕を離さない。僕をこの世界に拘束する枷になってしまった。この世界を美しいと錯覚させる代物だ。きっとその幻想は消えてくれない。いくら挫折や絶望を感じても、過去の微かな幸せが僕を水面に浮上させる。光を見せてくる。この世界は残酷だ。
この世界は美しい。

1/15/2026, 5:42:52 PM