十目 一八

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お題『愛と平和』

祖父は私の憧れの人だ
尊敬する人でもある
そんな自慢の祖父の話をしてみよう

怒涛の時代に兄を2人亡くし
1つ上の兄が問題無く家を継げるように
遺産を放棄して上京した
就職先は消防士だった
ツテも無かったから寮があって
身一つで出来る仕事を選んだと言っていたけれど
火災現場で事故にあい
片足に治らない傷を抱えた後も
命を懸けて人を救い
過酷なリハビリを乗り越えて現場に戻った
そんな祖父の事を私は誇りに思う

兄を亡くした影響か
命の狭間にあった仕事の影響か
祖父は家族をとても大切にする人だった
時間を見つけては私たちと遊び
私たちが大好きな祖父の故郷の料理をつくり
本を読み聞かせ
いろんな所に連れて行ってくれた

子供のころの私はまるで濁流に飲まれてるような
そんな毎日だったけれど
祖父の傍で祖父の家にいる時は
バリアの中にいるような
絶対の安全と安心を噛み締めて
年相応の子供になれた

私が大人になって障害が見つかり
不安で心細くて震えてたときも
祖父だけが励ましてくれて
ずっと傍にいてくれたから乗り越えられた

祖父の最期の言葉は
「愛してる」だった
祖母の母の妹の
そして私の手を強く握って
永遠の眠りについた

…堅苦しく書いてみたけれど
これが私の大好きなおじいちゃんなんですよ
凄くない?
凄すぎじゃない?
人ひとりの平和と愛のある人生を守るってそう出来るもんじゃない
しかも、おじいちゃんは仕事でも人を救ってる
表彰状の数がハンパじゃない

私もおじいちゃんみたいになるんだと小さい頃から豪語してきたけれど
これがなかなか難しいんだわ
私は自分の小さな家庭の平和を守るのが精一杯で
でも、家族への愛情はおじいちゃんにも負けないと思うんよ
それだけはおじいちゃんにも誇れるかな

そんな、小さな平和がどんどん増えて
大きな世界に愛が溢れたら良いのにね

3/10/2026, 12:50:41 PM