寂しさ

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クリスマス。
駅前にはキャッキャウフフな空気を纏ったリア充達が蔓延っている。
10月後半からそこかしこに飾られたイルミネーションにはもう見飽きた頃だ。
当然私もこの後恋人と......などという予定があるわけでもなく、1人寂しく教習所へと向かう。
高3のこの時期。周りより一足早く進路が決まった私は、親の勧めで車の免許を取るべく自動車学校へ入校したのだった。
数少ない友人は、入試に向けて勉強を進めているので去年のように悲しいながらも楽しいクリスマスは過ごせそうもない。
同じように進路が決まった友人も、この日までにお相手を作ったみたいだった。今頃どこかの人混みでハートを振りまきながらケーキを買っているところを想像すると、中々にしんどくなってきたので考えるのはやめにした。

今日の教習は散々であった。
車に乗って早々に、一度ばちばちに戦ったことのある教官であることに気づいた。
なんだか、全ての負のエネルギーが私の元へ集まっているような気がした。
カーブは曲がりすぎて何度も縁石に乗り上げるし、アクセルを踏みすぎて教官に強めに怒られるし。

教習所のイルミネーションは私を煽っているのか慰めているのか。1人寂しく輝くイルミネーションはなんだか今の私と同じように思えてより悲しくなってきた。

...........来年こそは誰か相手ができますように。
私はそう願い、いつもは買わないような甘めのミルクティーを買って意味のないモテを意識してみたのだった。

12/14/2023, 4:52:38 PM