「大地に寝転び雲が流れる」
近くには花かんむりを作る彼が一人と、
その彼に付き合わされるヤギが一匹。
まあヤギはシロツメクサをモソモソと食べ全く気にする気配はないのだが。
彼の家族はそのヤギ一匹だけ。
だから彼は皆にかわいそうだの、
変なやつだの色々言われた。
だけれども彼は幸せなのだ。ただ他人の物差しが
人間と一緒に暮らすことを望んだだけなのだ。
彼はヤギとふたりぼっちで過ごす時間が何よりも
心地よかったのだ。
特にあの広い原っぱに大地に
寝転び雲が流れるのを見ると、
何も考えずに過ごせるから。
僕はそんな2人を見るのが何よりも好きだった。
5/4/2023, 2:34:00 PM