ストック1

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「雨の香り、涙の跡」

雨の香りがまだ残る濡れた地面は、天が流した涙の跡のよう
何か悲しい出来事でもあったのか?
しかし雨が上がったということは、泣きやんだのだろう
今は、代わりに俺が泣いている
心は雨模様だ
悲しい出来事があった
かなり心に来るものがある
なんでこんなことになったのか、と思わずにはいられない
もしかしたら、天が涙したのも俺と同じ理由なのではないか、と錯覚するほどだ
前を向いて進もうと思うが、ショックが大きすぎる
水たまりに疲れ果てた自分の顔が映りこむ
まさか自分がここまで愛着を持っていたとは知らなかったな
しばらく立ち直れそうもない
俺の中の雨はいつまで降り続けるのだろう
彼を失った俺の心の傷は深い

……


「有給取るのに、わざわざこんな詩を送ってこなくても大丈夫だよ?」

「休む理由としては、ちょっと自信がなかったので、ひと押しが欲しくて」

「でもこれで有給取るって、よっぽど悲しかったんだね」

「はい」

「私もちょっとショックだったけどね
推しキャラだったから」

「まさか最終章の途中であんな死に方するとは思わなかったです」

「で、もう大丈夫なの?」

「なんとか、仕事をできる程度には回復しました」

「まぁ、あんまり漫画のキャラに入れ込み過ぎないようにね」

「面目ないです」

6/19/2025, 11:56:41 AM