月下真江

Open App

「昔、僕が、中学生の時だね。僕をいじめる男の子がいたんだ。」

これは、雑談仲間の彼から聞いた話だ。

「教科書ビリビリにされたり、周りに変な噂話を吹き込んだり、今考えれば、結構なことやられてたなぁ〜って」

彼は、笑いながら話した。まるで、大切な思い出を語るようだった。

「でもね、なぜか分からないけど。彼が僕をいじめればいじめるほど、僕は人との関わり方、というやつを知っていったんだ」

「どうして僕をいじめるのかな?なぜいじめっこは、周りから人気なのかな?僕と彼は何が違うのかな? 人生で1番悩んだよ」

私は、「辛かったのね」と呟いた。かける言葉が見つからなかった。

しかし彼は、大声で笑った。

「全く辛くないさ。感謝もしてる。実は、そのいじめっこの彼とは、今も大親友なんだ。2人で遊ぶことだってたくさんある」

「僕は彼と仲良くするには、どうしたらいいか考えた。そして、行動した。そしたら仲良くなれた。周りの人間とどう関わっていけばいいのかも、理解することが出来た。」


「いじめから、始まった話だけど、僕にとって1番大切で、絶対に捨てたくない物なんだ。彼には感謝してるよ」

8/17/2024, 12:46:26 PM