とある
大型洋裁店にあった
大きな大きな羊の時計
正時になると
手に持っていた
これまた大きな編み針で
優しいメロディーと共に
ゆっくりゆっくり
マフラーを編んでゆく
あなたはそれを見て
『いつ、編み上がるんだろうね』と
言って笑っていた
あれから数年。
あなたは突然、
私に別れを告げぬまま
私はあなたに『ありがとう』もいえぬまま
ひとり、旅立って行った
2度と戻らぬ旅路へ
あなたが居なくなってから
もうその時計を
見ることはなくなったけれど
まだ、編んでいるのだろうか。
優しいメロディーをBGMに
永劫に編み上がらぬマフラーを。
#時を告げる
花鶏ヨリ→とある大型洋裁店とは
ユ…ピー!(←規制)ワヤです(笑)
9/7/2022, 8:07:34 AM