恋するひまんちゅ

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心だけ、逃避行


いつも君には追いつけなかったな
勉強、運動、人気、そのどれもが君には一歩及ばない
五十歩百歩なんて格言と比べるのもおかしな話だが私は一歩を軽んじることなど到底できなかったし、その一歩は五十歩よりも百歩よりも遠くて仕方がなかった
幼い頃から、友として、ライバルとして見てきたはずの君に、いつの間にやら恋心を抱いていたのかもしれない
思い出すと君とは色々な事をしたね
遊びに行ったり、一緒に勉強したり、学校行事に全力を注いでみたり、どんなときでも勝負事にして競いあってたっけ
そのどれもが私の敗北だったな
あぁ思考がまとまらなくなってきた
もう長くないみたいだ
最期の振り返りをしてみると君がずっと隣にいたよ
一度も君に勝てなかったな
そんな悲しいことを考えるのはやめよう
一度だけこの一度だけは君を追い抜いてしまったな
いつまでも君を待つからさ、君はのんびりでいいよ
騒がしい音の数々ももう聞こえなくなる頃、私は動くことなく君をおいていったようだ

7/12/2025, 7:01:24 AM