未知亜

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 初めて煙草を吸ったのは、こんな日暮れだった気がする。
 鞄から取り出した小箱には小さな星が描かれていた。端をトントンと叩く指が手慣れていてドキドキした。
 当たり前のように差し出された箱を受け取って真似をする。風が強くて火をつけられずにいると、あなたはライターを奪い取り、手で覆いを作って火をつけニヤリと微笑ってみせた。
 あなたの向こうに広がったピンクとグレーと青の空へ、煙がさらわれ明度を落とす。あなたはいつも容易く火を灯す。思いもしない速さで。
 あなたの手のなかで小さな星が散る。

『二人だけの秘密』

5/4/2026, 9:56:58 AM