遊橙

Open App

昔の話だ。

当時両親が亡くなり身寄りがない当時少年だった青年を後の師匠が引き取り育ててくれた。
師匠は剣術の達人だったため教えを乞うたがまあ容赦がない人であった。

体を鍛えるための体力トレーニングはもちろん素振りはまだわかる。
だが経験だと幼き子を当時色々噂されている森林に投げ込まれたときはさすがに死を覚悟したと当時の思いを思い出す。
自身より大きいかつ考えていることが全く分からない存在に半泣きになりながら、必死に逃げ惑う事しかできなかった。

どうして今それを思い出したかと思うと。

今日の依頼で討伐退治に赴いた先で、己の背より大きな生き物を見たとき無意識に身体が強張りそれが隙を生んでしまった。
幸いにも一緒にいた少年がカバーに入ったおかげで事なきを得たが、少年もいつもと違う青年に違和感を感じ心配げな目を向けていた。

少年に心配いらないと伝え、成長したとしても己が苦手とすることに克服できていないことにまだまだ修行が足りないなと、怖がりひきつった顔を直そうと気を引き締めた。

3/16/2024, 11:58:34 PM