ここから部屋を見回すと、少しだけ広く感じる。が、そんなことはない。4台の本棚に、見た目と大きさを無駄にこだわったアンティークな書斎机。そして、今も足元を囲む本や原稿用紙が所狭しと積み重なり、倒れ、とっ散らかっている。文章を書くためだけに存在するこの空間。しかし、スランプや憂鬱時にこうして部屋の片隅で膝を抱え、執筆道具の一つになっていると、段々と部屋の全容が現れる。好きな物だけの世界。とても狭い世界だ。部屋の片隅で
12/8/2022, 7:24:30 AM