時折見られる、友人の横顔が私は好きだ。
友人の横顔は、同性ながら異様なほどに美しい。
一見すると唯、目を閉じて微笑む、
どこか宗教画を思わせる、上品で柔和な表情だ。
しかし、閉じられたように見える上品な目蓋からは、
全てを見定めるような冷え切った眼差しが覗き、
微笑んだように見える柔和な唇からは、
全てを見切ったように冷笑が浮かべられていた。
これこそ、友人の本来の姿なのかも知れない。
私は、そう感じる。
友人は、この国の高貴な方の血を僅かに引く身の上だ。
憶測だが、友人は周りが求める虚像の型に収まりながらも、
友人の性分を現しているように思った。
「器用だな。」
私は、小さく呟いた。
「鋭いね。」
友人は、小さく応えた。
どうやら、私が友人の性分を感じ取っているように、
友人は私の考えている事が解っているようだった。
4/27/2025, 1:40:46 PM