涙の理由
ループするかのように日常を過ごしている。
新しいことを学ぶこともなく、
とうの昔に投稿された動画を見て、
飽きない炭酸飲料を飲み尽くして、
小腹が満たされるまでお菓子を食べる。
いつも通りにゲームをして、スマホを充電して。
大人になって何が変わったのだろう。
強いていえば、働けばお金が貰える環境にいること。
休日が恋しくて仕方ないこと。
友達が隣にいない状態が当たり前になったこと。
人間関係が面倒であまり喋らないこと…は、
いつものことか。
ある日のこと、満月を見て急に涙目になった。
「綺麗だ。」そう思っただけなのに、
頬には涙が落ちていた。
人よりも働いていない癖に、
この身体は今の生活が苦しくて仕方がないらしい。
毎日泣いていたあの時期を思い出して、
心が重たくなって、冷たくなった。
高校時代は色彩豊かな世界にいたのに、
今じゃ全てがモノクロに見えて、
虚無が心に住み着いていた。
自分の人生に悲観して、
妄想の中で作り上げた他人の普通の人生と比べた。
自己否定するのは当たり前?
髪を引っ張って抜いてしまうのは当たり前?
爪を噛むのは?皮を剥いてしまうのは…
唇を強く噛むのは……あぁ、全部ストレスからか…
忘れてくれ。
すぐに泣いてしまう僕は昔から
「泣き虫」だとか「涙脆いね」と散々言われ続けた。
人よりも感情豊かな僕はどうにも
泣きまくらないとやってられない模様だった。
こんな自分を認めようとしたけど、
認められるわけない。死んでくれ。お願いだ。
心が荒んでいく。珊瑚のように死んでいく。
あー…今日もまた独りで泣いていよう。
その後に寝れば全てを忘れて、
モノクロの世界で働きに行くのだから。
…後で、虚無の治し方でも、検索しておこう。
それじゃ、おやすみなさい。
9/27/2025, 11:18:37 AM