崩壊するまで設定足し算

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▶15.「子猫」

14.「秋風」
13.「また会いましょう」
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1.「永遠に」近い時を生きる人形‪✕‬‪✕‬‪✕‬

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「今夜も来てくれたのね、お人形さん」
「ああ、会いたかったよ。私の子猫」

「ふぅん、それじゃ始めましょうか」
彼女は手招きをして微笑んだ。


出会いは彼女がまだ少女だった頃。

「相変わらずいいカラダしてるわねぇ」
「ありがとう、博士が聞いたら喜ぶよ」

たっぷりとした黒髪をくしゃくしゃにした女の子が、
木の下でうずくまっていた。
そこは花街の近くだったから声をかけた。

「あ、ここ汚れてる」
「手が届きにくいんだ」

-迷子なの?
青い瞳が人形を見上げた。
いつかの日に見た子猫のような色の取り合わせ。

-いじめられたの。黒髪は不吉だって。

「傷はないわね。よくできてる」
「いつも助かるよ」

-私は子猫みたいでかわいいと思うけれど。はい、飴あげる。
‪✕‬‪✕‬‪✕‬には美醜や吉兆の判断はつけられないが、人間の評価基準がどうなっているかはある程度把握している。ついでに買い物のおまけにもらった飴を渡した。

-お母さんがよく言ってた。私の子猫ちゃんって。飴もらうわ、ありがとう。

「服を着たら旅の話を聞かせてちょうだい」
「もちろん、報酬だからね」

木の上ではないけど。泣いていた子猫との縁。

11/16/2024, 9:01:42 AM