雷鳥໒꒱·̩͙. ゚

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―手を繋いで―

「おかあさん…」
『どうしたの?』
「て…つなご?」
やはりほんの一瞬、戸惑いはしたけれど。
血の繋がった家族でないにしろ、
私がこの子の母親であることに変わりは無い。
せめて、この子の前でだけは、母親らしくいよう。
私はそう誓ったのだから、と。
私は、微笑んで、差し出された小さな手を握った。
「これからもよろしくね」
手を繋いで、街灯の灯り始めた夕暮れの
住宅街を歩く。私たちの家へと。

12/11/2022, 6:10:10 AM