にんげん

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私のする事は、間違っていない筈だ、と思っていたからこそ、善悪というものをあまり意識した事がなかった。
私の行動や言動は、一つ一つ慎重に考え抜いて行ってきたものだ。
自分に合う行動や、相手に合う言動をひたすら考えた末、それを果たす事はしない。そんなことしても、意味が無いと思っていたからだ。

そもそも、私から見た善悪と貴方達から見た善悪は、少なからず違うだろう。
生きるだけでいいという考えと、生きるだけでいいと云うのは、間違いだという考え。
私は、どちらかと言えば後者の方だ。生きているだけで楽しい事があればいいんだけれど、実際ないだろう。人間は、生きる理由が必要だろう。

道端にゴミを捨てた人は何も考えずに、そのゴミを捨てただろう。
一般的に見ればその行いは、悪だが、ゴミを捨てた人は、その時は悪だとは思っていなかっただろう。何らかの理由でそのゴミを捨てたのだ。その理由がなんであれ、その人にとっては、悪だと思っていなかったということだ。

つまり、善悪など、ただの言葉。人間社会に適応できる人格を形成するための常識に過ぎない。何が良い行いで、何が悪い行いかは、貴方達の人間社会の適応力にかかっている。

けれど、正直を言うと、善悪を決めようとしなくていい。自分の善を貫けばいい。たとえ、それが、自死や人殺しを善としても。

後悔するのは、君だから。

善悪──

4/26/2024, 1:48:28 PM